『HOUSE』 大林宣彦 1977

神々しいまでの季実子様。飛んでるアイドル映画として絶品なり。
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大林宣彦、商業映画デビュー作です。先月に観た『さびしんぼう』がよかったので観てみましたら、これまた面白い作品でありました。なおかつ、アイドル映画としても大変に素晴らしいものであるのでした。

『さびしんぼう』では富田靖子が輝いていたわけですが、『HOUSE』における池上季実子はそのさらに上を行くというか、もう本当に観ているだけでめろめろです。めろめろ。
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 彼女を含めて七人の女子が出てくる映画で、ウィキによると「ハウスガールズ」なる宣伝ユニットを組み、「かなり人気が出た」そうです。でもまあ正直、池上季実子がずば抜けているというか、映画を観ていてももう周りと違うんです。一人だけ位が違う。公開当時の彼女は18歳ですが、こんなのが学校にいたら、同じクラスにいたら、もう、逆に学校に行けません。あまりにも眩しすぎて目をやられる恐れがあるし、なまじ多感な時期の妄念に駆られなどしたら授業中に発情、お縄頂戴になること請け合いであります。ラストにね、ストーリー展開とは不調和な、アイドルのイメージビデオのシーンみたいなのがちょっと流れるんですけれど、あんなものを見せられたらこちとらはめろめろになるしかないじゃないか! 
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 大林監督のアイドル映画手腕というのはデビュー作でもはや最高潮の域に達していたと言えましょう。最近の映画監督はあまりアイドル映画で評価を受ける人がいないようですね。アイドル映画たり得るような作品はおそらくいっぱいあるだろうし、被写体も溢れんばかりにいるはずなのに、どうしたことでしょう。今、アイドル映画を撮れるとなったらその監督は引く手あまたに違いないのですが。

 映画はと言うと、CF出身の監督らしい、試みに満ちた一本でありました。80年代ならばまだしも、これを70年代にやっているのはすごいですね。蛮勇の連続です。映像効果が積み重ねられており、地味な日本映画の中にあって傑出した作品とも言えましょう。今でこそね、それこそ同じCF出身の中島哲也監督みたいな映画を撮る人はいますけれど、当時にこういうことをやるっていうのは勇気があるなあと思います。それが馬鹿馬鹿しさに振れている点もいいし、細かい部分にも気が利いています。冷蔵庫を開けると「イヤン」という声がするとかね。お笑い風味もしっかり効いている。
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 季実子様演ずる「オシャレ」(この映画では『太陽にほえろ!』よろしく、登場人物にあだ名がついています)のおばちゃまのお屋敷に行くことになるのですが、そこで待ち受けていたのは南田洋子扮する不思議なおばちゃまと、おぞましい怪異の数々なのでした。
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 怖い映画といえば怖い映画なんですよ、何しろ少女たちが次々に失踪し、惨殺されるわけですからね。でも、ホラーに寄りすぎて表現の幅を狭めることなく、もっと訳のわからないものにしてやろうという野蛮さに満ちている。変な映画、として成立している。
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 これを少女限定の物語にしたのは実にいいですね。ここに男が入っては駄目だろうなと思います。少女たちが振り回されている様は大変に愉快なのであります。季実子様が図抜けているのですが、大場久美子の適度な可愛さがこれまたよいです。普通の子なんです、言っちゃえば。でも、普通の子の可愛さが季実子様と対比されていて、彼女が同じクラスにいたら普通に嬉しいです。スタイルの感じも現在に通じるんじゃないですかね。うん、適度に可愛いです。「ファンタ」というニックネームの等身大っぽさが、前田亜季っぽくていいです(何を言うとんねん)。いや、でも、これは『バトルロワイアル』における前田亜季の、適度な可愛さに通じるものがありました。今思うにあの映画でも栗山千明や柴咲コウなどのとんがり美女が活躍していましたが、その一方で「守られるべきヒロイン」として前田亜季を置いたのは、きわめて素晴らしいキャスティングバランスだったのです。
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 他の五人について言うと、「クンフー」の位置にはもうちょいきれいめの子がいるとさらによかったと思います。あのキャラはたとえば『ハルヒ』における鶴屋さん的な、あるいは『セーラームーン』におけるジュピター的な置き位置なので、ここにさらなる美女キャラがいたらアイドル映画としてもう一段レベルアップでした。「スウィート」はよかったです。当時であの風合いを出しているのは慧眼です。結構キャラわけがはっきりしていてわかりやすいです。

 でも、他の三人はちょっとです。70年代当時としては知らないけれど、今観るに明確なおぶすさんもこれいるわけです。これが全員美女だったらぼくは何も言わなかったでしょうに、むむ。しかし、これまあどこまでを制御していたのかわからないけれど、おぶすさんはおぶすさんなりのインパクトを持ってやられていきますからね。ああ、これはおぶすさんでこそおかしけれ、と思う場面もあったりして、作り手のすごさをその辺にも感じる。

ホラー演出として、今観てもいいなと思えるものも多かったですね。これだけいろいろやっているからこそ勢いがつくというのもあって、クライマックスの赤い水の洪水は迫力がありました。あの中を翻弄されていく大場久美子=ファンタには季実子様とは違う萌えが確かに宿っているのでありました。
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 この映画について瑕疵を問う気にはあまりならないです。むしろ攻めているところを賞賛したくなります。だって、そりゃ褒めますよ、だって、だって、なんたって、季実子様のパイオツが拝めるのですから!(もうちょい上品な言い方せえ)

 ええい、好感度が下がろうが何だろうが本音で書いてやるんだ。もともと好感度なんてないんだからいいんだ。この映画の季実子様はね、公開当時18歳ですけれども、たとえ短いカットとはいえ、ぼくらの味方であるあのおぱーいを露わにしているのです。それだけでももうこの映画はいいのです。さすが季実子様です。別に出さなくてもいいシーンなのに、おぱーいを見せてくれているのです。大林監督のスケベ精神を賞賛してやみません。
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 アイドルを綺麗に映して、そのうえおぱーいまで映したとなれば、もうそれでいいじゃないですか。何を文句を垂れることがありましょう。最近の女優もアイドルもアイドル映画制作者もぜひ見習っていただきたい。特に必然性もなくおぱーいを出していただきたい(何を言うとんねん2)。

 これまでの記事の中でも最も品のない、気色の悪い部類の文章になりまして、ただでさえゼロであるところの女性読者支持層をあらためて失うに至り、その点に幾分の反省はあるのですけれども、「飛んでるアイドル映画」の傑作を薦めるに当たっては、品格などは忘れてやるのであります。観てみるとよいでしょう。
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by karasmoker | 2011-10-26 00:00 | 邦画 | Comments(9)
Commented by pon at 2011-10-29 14:01 x
こんにちわ。『HOUSE』は大林監督だったのですか。公開当時、神保美喜目当てに劇場に行った憶えがあります。でも季実子様がオーパイ出したなんて全然覚えてなかったなぁ。オーパイに関しては、その当時の神保美喜のオーパイの方が僕にとっては衝撃でした(笑)。大林監督は尾道や東京で何度かお会いしたのですが、広告畑に長く居た人とは思えないようなのんびりとしたやさしい人でした。
Commented by karasmoker at 2011-10-30 00:34
 コメントありがとうございます。
 大林監督は広告畑にいただけあって、被写体のアイドルを可愛く、魅力的に撮る手腕には凄まじいものがあるなあと感じ入りました。監督にお会いしたことがあるというのは驚きであります。
Commented by pon at 2011-10-30 11:23 x
こんにちわ。僕は仕事柄 故深作欣二監督初め日本の多数のメジャーな監督にお会いしました。ハザード公開直後の、園子温監督の二階建てオンボロアパートの部屋の汚さに驚いたり、カメラマン時代の木村大作監督にないしょでギャラを聞いたら「言い値。」と答えられた(500?)ぐらい?しかし本編の撮影がそんなにあるわけなく、お金が無ければ工事現場で旗ふりするぐらいなんでもないと、笑って仰られてその凄まじさに圧倒されたりしました。
Commented by karasmoker at 2011-10-31 07:42
 大変に興味深い話であります。『ハザード』公開時といえば、園子温監督が既に『紀子の食卓』などで海外の賞を数多く獲ったあとのことでしょう。それで安アパートとは一体。
 今後もこぼれ話をお聞かせいただければ嬉しく思います。コメントいただきありがとうございました。
Commented by pon at 2011-10-31 10:52 x
こんにちわ。著名な監督でも事務所は結構質素です。贅沢なオフィスをかまえるよりまず映画制作費ということでしょうか?数年前に行ったきりですがオフィスキタノですらしょぼいビルです(今は知りませんけど。笑)若松孝二監督も外苑沿いの静かで質素なマンションで当時めちゃコワイと噂でびびってでかけたのですがとてもやさしかったです。最悪はゴジ(ご存知ですよね、あの伝説の監督)です。有名な中華料理屋で会ったのですが酒飲んでメチャメチャ暴れました、さすが噂どうりです(笑)でも是枝監督の事務所はオシャレでした。格が違うということでしょうか?

ごめんなさい。また長くて送れなかったので、2分割です。   
Commented by pon at 2011-10-31 10:57 x
続きです。

さて、園監督ですが、僕が伺った時は結構前ですが、古い大正建築のような蔦のはえた2階建てアパートで(ある意味オシャレでしたがそうとうボロです)。しかしその部屋はサバイバルゲームの舞台のような凄まじさでした、資料などの小山(1メートルぐらい)が数カ所あり先が見通せない状態でした。そこで暮らしていたかは不明です。そのころ僕は園監督を知らなかったので(今はエクステと愛のむきだしは見ました。)「ハザードの直後」はもしかしたら記憶違いかもしれませんが、たしかオダギリジョーの映画というイメージがあったので。でもたぶんその時代だと思います。正確に思い出せなくて申し訳ない。100人ぐらいには会ったので記憶が正確ではないのです。
Commented by karasmoker at 2011-10-31 20:52
コメントありがとうございます。
 挙がる名前がそうそうたる面々で、予想だにしない話がたくさん伺えてとてもありがたく思います。ぼくの身の回りには映画関係者は一人もいないので、こういったお話を教えていただけるのは実に貴重であります。いろいろと訊いてみたいことが溢れてきますが、お手間を取らせるのも恐縮であります。今後も気が向いたときで結構ですので、逸話の数々をお教えいただきたいと願います。
 
Commented by go-low at 2013-05-19 20:11 x
 初めまして。こちらの記事をきっかけに 「house」をはじめて最後まで通して鑑賞しました。 大変、面白くて大好きな一本にいまでは成っております。 ご紹介ありがとうございました。                       好きな場面、魅力的な場面など、多々ありますが 自分は人物が台詞を発するときに感じる、なにかネジがゆるんでいるような、夢のなかで出会う見知らぬひとのような、雰囲気と絵造りがすきです。               
Commented by karasmoker at 2013-05-24 23:05
コメントありがとうございます。
紹介冥利に尽きるのです。
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