『チアーズ!』 ペイトン・リード 2000

この映画が好きだという人は、すこやかにお育ちでありましょう。
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原題『Bring It On』
 チアリーダーのお話で、結構評価も高いようです。ぼくはキルスティン・ダンストが苦手だ、という話をしたら人に薦められて、もしかしたら好きになれるかもしれぬという期待もあって観てみました。

 しかし、いやはや、どうもぼくはキルスティン・ダンストの魅力がわかりません。『スパイダーマン』シリーズもそれで観ていないくらいなんです。どう観てもヒーローに守られるヒロインの面じゃねえだろ、と感じてしまうのですね。この人が似合うのは、「第一次世界大戦で受難する女性」とかそんなのだと思うんです。ウィキによるとドイツ系、スウェーデン系ということですし、その辺の役柄だったらぴったりだろうなと思うんです。ヨーロッパ映画の顔です。なのでねえ、うーん、どうしてこの人がチアリーダーの映画の主人公なのだろう、と思わざるを得なかったのですね。
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 映画はというと、健康的なアメリカン・ティーンのお話でした。まあ健康的であります。ジョックとクイーンビーだけが出てくる映画で、なおかつ彼らがジョックでありクイーンビーであろうということが描かれない点で、なんとも健康的であります。ジョックとクイーンビーの意味がわからない人は調べてみましょう。
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 太陽さんさん、元気はつらつみたいな映画ですが、それはそれでよろしくて、だったらやっぱ北欧系のキルスティン・ダンストじゃねえんじゃねえの? と思えてならなくて、うーん、どうなんですかねえ、もっと別の人がいたんじゃないかなあと、それこそあんなにたくさんいるんだから、もっといたんじゃねえの感が強いです。

 それこそかつてのゴールディ・ホーンとかね、キャメロン・ディアスとかね、クリスティーナ・リッチとかね、そのタイプを求めてならなかったですねぼかあ。もういっそのこときらっきらした青春像で良くて、そしたらぼくも素直にあげあげになったのです。あるいはまあ逆に、薄味系の顔を持つエレン・ペイジ的な路線の子を引っ張ってくるとかね、それはそれでありじゃないっすか。キルスティン・ダンストは北欧系なのに高カロリーな顔立ちなのです。
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 この映画はなんというか、観る者の「青春時代」に対する記憶をちょっとくすぐってきますね。人間性を試してくるところがあります。ぼくなどは高校時代、ジョックにもなれずクイーンビーとのおつきあいなど想像だにできずという人間であり、それでも大学に行ったら合コンだのサークルだのを楽しめるんじゃないかしら、と期待していたのですが、生活する中で愕然としたのですね。「ぼくにはそもそも、そういうものを楽しむセンス自体がないのだ」と。なんていうんでしょう、たとえるなら、みんなが甘い甘いと言って食べているお菓子があるとして、ぼくもそれをちょっとはかじってみたのです。でも、さっぱり甘味を感じられなかったわけです。甘味感知細胞がなかったのです。これはちょっと辛いもんがありました。

 そういう人間からすると、この映画は眩しくてやれないです。映画自体はテンポもいいし、小事件をちょこちょこ放り込んでくるし、政治的にも正しいし、よくできていました。だから申し上げたとおり、健康的なアメリカであって、たとえば『トーク・レディオ』のバリー・シャンプレーンに魅せられた夜の住人にはややきつい。
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 政治的に正しいのは、あのアフリカ系のチームを放り込んできたところですね。それでいてアフリカ系チームのバックグラウンドも描き、主人公チームとの関係も最終的にはいい感じになり、相手に花を持たせる。うわあ、正しく乗り切ったなあ、とある意味で惚れ惚れいたします。
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 この映画を真正面から好意的に捉える人は、いい人だと思いますね。「好きな映画は何ですか?」「『チアーズ!』です」と答える人とは付き合っておいて損はないでしょう。反面、このような青春像を幻想としてしか捉えられなかった、という自覚のある人には、どこかこうむずがゆさがあると思います。特にぼくはすぐこの前に『4分間のピアニスト』を観ていて、あんな風なぎりっぎりの中で炸裂するもんを観てしまっていたので、彼らのチアリーディングのはつらつさには、おうおう、よろしおまんな、といくぶん醒めた目線を禁じ得ぬのですね。
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 いや、でも、繰り返しになりますが、これがキルスティン・ダンストじゃなかったらぼくはうまくだまされてあげあげになっていたかもしれません。あー、でもそれはやっぱり大きいなあ。それは大きいっすねえ。

 なんか誰のためにもならないような記事になってしまいました。読んで損した分の時間は返せません、どうもすみません。まあ、そんな回もありますな、今日はこの辺で。
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by karasmoker | 2012-04-18 22:00 | 洋画 | Comments(0)
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