「逆走 ♡ アイドル」 恵比寿マスカッツ 2012

マスカッツのイベントに行くの巻き。または、微熱の時代を夢見て。
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 当ブログで恵比寿マスカッツを布教し続けているぼくでありますが、実際にライブ等の現場に出向いたのはDVD発売イベント一回のみでありまして、あまり生で観ることに興味がなかったのですけれども、池袋のサンシャインシティに来たるとあって、ここはもろに生活圏の範囲内でありますので、これはさすがに行かなあかんなというわけで馳せ参じたのであります。今日は「karasmoker、マスカッツのミニライブに行くの巻き」として、普段と趣向を変えてのライブレポート的なものにするのでございます。

 会場は池袋サンシャインシティ内の地下、噴水広場でございまして、優先観覧スペースに入るため朝の十時からのチケット取りに出向き、夕方に再び現地に赴いたのであります。なにしろ家から徒歩五分なので楽ちんなのであります。

 噴水広場は上階まで吹き抜けになっておりまして、買い物客がふらっと観るなどということもこれ可能で、言ってみれば無料なのですけれども、優先スペース+握手会に参加するにはCDを三枚お買い上げ頂くという話なのであります。その手の商法にはいくぶん否定的な思想を持つ者でありますが、CDは三パターンありますし、優先スペース、握手会、ポスターのための料金と考えればまあ道理も通るのでございます。

 普通のライブ会場と違って、なにしろ開放的商用空間の最中にあるものでございますから、どうにもくすぐったい感じもあるのでございました。ぼくが参じた優先スペースは「濃い衆」に溢れており、上階にいる「何かやっているらしいのでまあ観てやろうか」というくらいの人たちから見下ろされるのであります。言ってみればファンも観られている構図なのであります。

 優先スペースに入れたのは80番目で、前方四列目くらいの位置でありました。噴水広場自体が広くないので、大きなコンサート会場などよりもはるかに至近の距離で観ることができたのであります。

 登場メンバーには欠けもございましたが今回主役の吉沢明歩様をはじめといたしまして、半数以上のメンバーが参加とあり、豪華な布陣だったのでございます。惜しむらくは蒼井そら様や希崎ジェシカ様、そしてそして桜木凛様がいらっしゃらぬということでありますが、それでもCD販促イベントの千秋楽とありまして、出てほしい方々のほとんどがいらっしゃったというのは誠にもっての慶事なのでございます。

 メンバー一人一人からのコメントがあって後、「親不孝ベイベー」「ハニーとラップ」「ロッポンポン☆ファンタジー」「逆走 ♡ アイドル」「スプリングホリデー」の五曲が披露されたのであります。

 ぼくはこうしたイベントに不慣れでありまして、何もかもが新鮮に映り、怒濤のごとく時間が過ぎたのでございます。すぐ前にいた人は熱心なファンでございまして、曲の合いの手、振り付け、声援などが堂に入ったものであり、一方ぼくはそれになんとかついていくというので精一杯。マスカッツもさりながら熱心な応援の方々に圧倒されたというものでございます。

 ここに及んでぼくは自分の心中に小さな化学変化を感知したのでありました。
 始まる前、周囲の顔見知りのファン同士があれこれ喋っているのを見るにつけ、「どうも自分とは違う種類の方々だ」と距離を取って眺めていたのですけれども、優先スペースでそうした濃い衆の方々といると、上階ですかした感じで眺めている連中よりも、ずっと親近感が湧いたのでありました。

 たとえばかけ声ひとつ取ってみましても、拍手を取ってみましても、上階の物見遊山の人々は反応乏しく(正面は除く)、むしろ優先スペースの熱狂者たちを嗤っている風にも思えたのですが、ぼくの前方の方などはそんな連中など構いもせずにマスカッツに情熱を傾けていたのであり、「おお、ことによっては上方でゆったり観ようかなどと考えてもおったけれど、この熱狂スペースでよかったのであるなあ」と思えたのであります。

 その後に行われた握手会でありますが、いやはやあまりの眩しさゆえに、「正視に耐えぬ」のでありました。我ら人類が太陽を直視できぬのと同じように、ぼくはマスカッツの方々のまばゆさに打たれ、一瞬顔を見た後、ついつい俯いてしまうのでありました。

 何を着ていけばいいのか迷ったぼくは、「彼女たちに謁見申し上げるにあたり、平服では非礼であろう。このうえはスーツで参らん」と思い至りまして、スーツにニット帽という我ながら奇妙な格好で出向いたのでした。なぜニット帽かといえば、これはぼくなりに背後の観客に気を遣ったのであります。ぼくの逆立った髪が背後の方の観覧を阻害することがあってはならぬ、という理由なのであります。しかし結果として逆立つ髪が帽子を押し、余計膨らんでいたというのが後ほどにわかりまして、反省するところであります。
 握手会の際、スーツ姿に反応してくれた篠原冴美様と、「ありがとうございました」の後に一言「お気をつけて」と添えてくれた麻美ゆま様には一層の情愛を向けるものと決めたのでございました。麻美ゆま様の優しさはやはりただならぬものであると感じ入ったのでありました。

 先ほど、「そのまばゆさ故に、至近での正視はこれ難し」と申しましたが、こうしたメンタリティは古来、日本人が天皇に向けて感じたものと似ているのであります。むろん、天皇陛下とマスカッツを同一線上で物語るなどは不敬でございまして、そうした意味合いではないのですが、まあこれは言葉の綾、もののたとえでございます。

 しかしここでぼくは、「スーツで参る」というのは作法のひとつとしてありなのではないか、と思うのでありました。そんなことを考えていたのはぼくだけのようでして、他の方は皆平服でありましたが、これはどうにもひとつ、敬意が足りぬのではないでしょうか。なんというか、「謁見申し上げる」という意識があってもよいのでございます。そしてかような、ファン以外の人々も観覧するなどという局面においては、ファンの皆々がスーツで参じることによって、「おおう、その辺の小娘アイドルのオタクとはぜんぜん違うな、マスカッツのファン層は」とびびらせることもこれ可能であり、そうしたことがひいてはマスカッツの社会的ステータスをより向上させる運びになるのではないかとさえ思うのであります。

 などと言いつつ、これは半分以上しゃれですので、マジで反論するなどの無粋な真似はなさらないようお願い申し上げます。

 ここまでの文面で、どうもこいつはアイドルを愛でるという感覚を放棄しているのではないか、変なほうに行っちゃってるんじゃねえか、とお思いの方もおられましょうが、それはまさにマスカッツが他のアイドル風情とは違うということを意味するのであります。
 
 イベント冒頭、リーダーの希志あいの様がおっしゃっておられましたように、マスカッツは長年の音楽活動においても、歌番組にもほとんど呼ばれず、出たとしても深夜のみで、ゴールデンにも一切出られないような状況なのです。これは言わずもがな、彼女たちの主要メンバーがAV女優であるということでテレビ局が軒並みびびっているわけでございます。また、世間の目においても「AV女優」は日陰の存在と思われている節はいまだ強く、なんならアイドルや女優などよりも格が下であるなどという観念も根強いのであります。

 これは甚だしく遺憾であります。世の男子諸兄はその多くがAV女優のお世話になっているではないですか。彼女たちに快楽を与えてもらっているではないですか。

 ならばリスペクトをしないほうがおかしいのであります。ぼくはそうした不当な観念、不当な建前に強い違和感を覚えるのであり、マスカッツはそれに抗する最高の組織体なのであります。かつてキング牧師は黒人と白人が同じ食卓につくことを夢見ましたが、AV女優と一般の女優が同じ映画やドラマで共演する、ゴールデンの歌番組を彩ることは、マスカッツの向こうにある夢なのでございます。そうしたカオティックなメディア状況が現出したとき、ペドフィリアの欲望と処女幻想にまみれた蒙昧なアイドル時代は終わりを告げましょう。価値観は崩壊し、ぐちゃぐちゃになり、「成熟の時代」などと言って老境にさしかからんとする日本は再び「微熱の時代」を迎えることになりましょう。テレビは再び、あの輝かしき20世紀の活況を取り戻すことでありましょう。

 あえて申し上げるならば、秋元グループにも、ピンクの三つ葉にも、「時代を逆撫でる」ことなどできやしないのであります。それが唯一可能なのは、恵比寿マスカッツなのであります。賢明なる方々はもうお目覚めの頃合いでございましょう。これ以上の多言は蛇足であります。

 楽しみはしましたが、今後もぼくはあまり現場に出向くことはないでしょう。それは今日の熱狂的な方々にお任せすればそれでよいなあと思い、ぼくのすべきことではないという思いを強くしたのであります。ぼくが予約して取れるであろう席は、蒙の啓かれるべき新たな方々にお譲りいたしましょう。今後も折に触れて、もっぱらこのブログなどにおいて、密かなエヴァンジェリストの役を担っていこうと思った、そんなイベントでございました。


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by karasmoker | 2012-11-05 00:00 | 恵比寿マスカッツ | Comments(2)
Commented by pon at 2012-11-05 23:56 x
こんにちわ。イベント慣れしてない管理人さんが最前列で慣れない合いの手をいれる、しかもスーツにニット帽……ぷっクックッ…あ〜おかしい。なんか見たかったなぁ、それ(笑)。
Commented by karasmoker at 2012-11-06 02:11
 周囲の盛り上がりを殺さぬよう、なんとかついていったのですが、そちらに懸命になってしまいむしろステージ上の彼女たちをちゃんと観られなかったような気がしないでもない、という。
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