週刊マスカッツ批評 第5回放送分

大技を繰り出したわりに、演出が弛緩。
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今週より、「週刊マスカッツ批評」を行っていくことにしました。ツイッターだけでは溢れかえる思いを書ききれないのがまずひとつ。そして、マスカッツの布教活動がひとつ。そして、もしも制作に携わる方のお目に留まることがあり、番組作りに一ミリでも活かされることがあれば望外の誉れ。ファンの一人として、毎週その回についての論評を加えるものであります。

 アイドルのバラエティなんか気楽に見りゃいいのに、キモイことをおっぱじめやがった、と言われることでありましょうが、そのような物言いはすなわち、アイドルのバラエティを軽んずる人間の言い分であります。それにそれを言うならば映画だって同じことですね。映画にせよバラエティにせよ、作り手は真剣につくっている。であればこそ、こちらもまた真剣に観るのが礼儀というものであります。とりわけ、マスカッツのような革命的存在においてはそうなのです。というわけで、気の向く限りやっていくのであります。
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 第五回は、初代マスカッツ乱入の回でありました。このタイミングで初代をてこ入れすることの是非、については述べませんが、それなりの盛り上がりはあったわけです。予告では出てこなかった里美ゆりあや蒼井そらの登場は、ああ、きちんとぶつからせてくれるんだなとわかって好もしい点でありました。しかし、内容的には残念なところも目立ちました。
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 川上奈々美を推していく、というのは個人的に嬉しいところですし、エスワン専属でネームバリューも高い明日花キララを推すのもわかる。しかし、もっと他の面々も偏りなく取り上げていくべきでしょう。だいたい、スーブーを前列に置いておくのが違うんです。視聴者が観たいのはスーブーではない。体を張る鉄砲玉に用いるのはわかりますが、彼女は後列に置いておいて、のしのし出ていくようにすればいいんです。体格がでかい分、案の定後ろのメンツが映りにくくなっているし、初見のファンを取り込むにはまるで戦略的ではない。後ろからでも出て行けるんだから、別のメンバーを前に配しておくべきなのです。
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 ビンタにしてもそうで、あそこには一種のハラハラ感があったほうがいいんです。スーブーが食らうのではただの予定調和じゃないですか。
 なぜああいう場面で由愛可奈を出さないのか?
 せっかく二回目の放送で、「あなたのこと訴えます!」という挨拶的なギャグを仕込んだのだから、あの場面でそれを発動させればいい。由愛可奈と初音みのりの対峙という、ファン垂涎のマッチングが可能だったのにそれすらやろうとしない。「ここはもうスーブーの役目」という、パターンという名の思考停止が既に始まっているんだとしたら、きわめて度し難い。

 あるいは初代と言い合う場面で、なぜあやみ旬果を使わない? これまた二回目の放送で、小木を気持ち悪がるという反応をしてヒットを打ったのだから、ここでもまた突拍子もない反応を引き出せたかも知れない。にもかかわらず、テレフォンで既に充分映っているさくらゆらをまた前に出したままにさせている。

 人数が多いのだから、入れ替わり立ち替わり出していかなくてどうするのか。その点で第三回は良かったんですよ。ウルトラソウルのあれはいいんです。ああいう風にぽいぽい回しておけばいいんです。今回の場合、全体の企画の流れは、「初代に圧倒される二代目たち」の構図なのでしょう。それはわかりますよ。でも、そこで終わっているんです。
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初代のほうがやっぱおもしろいやーという、実に無邪気なリアクションも放送後には観測されたわけですが、ぼくには大いに疑問です。というより、演出する側がちゃんと仕込めていない。山口愛実が蒼井そらの遺影を持っているくだりは完全にすべっているし、後ほど蒼井が出てくるときにも別に活かされない。また、蒼井のおでんのくだりをつくるなら、かつてのように「私がやる」「私がやる」「じゃあ私」「どーぞどーぞ」のひとつも仕込んでおけばいい。そういうことさえやらない。非常に弛緩している。
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 せっかく初代の登場という大技を仕掛けたのに、演出が甘すぎて仕方がない。
 パイのくだりは三回とも同じことをやっているだけ。なおかつ児玉は眼鏡を外す始末。 違うだろう? 眼鏡のまま食らっていれば、画ヅラとして三回目は変奏できただろう? それにあの場面でさえやはり川上と明日花、スーブーを出すばかり。正直あの役は誰だっていいんだから、別のメンバーにでじろをつくればいいんですよ。そうやっていろんなメンバーの顔を見せていけばいいんです。本当に何をやっているんだ!
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もうひとつ言っておくと、大久保さんがメンバーに囲まれて変化するあのくだりは毎回面白くない。何を気に入っているのか何回もあれをやるけれど、正直なところ大久保さんという人は、一言ですぱっと決める能力が弱いんです。今回もそうだった。
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 「なんで、五郎丸じゃなくてリーチなの?!」というつっこみ台詞は、はっきり言って勘が悪すぎる。そもそもあの状況でラグビーにすること自体が「なんで?」なのだから、正しいつっこみはせめて「なんでリーチなの?!」であるべきで、五郎丸うんぬんはその後で補足的に付ければいいのです。彼女はつっこみの基本すらできないんです。プルカワが楽屋で漫才をした回を覚えているでしょうか? 最後、大久保さんがぱしっと一言で締めるべき場面で、彼女はだらだら喋っていた。そのせいで締まりがなくなった。本当に、正しいつっこみができない。正直、新番組スタート時に彼女は別の誰かに入れ替えるべきだった。

 だいたい、マスカッツを観ている人間は別に大久保さんを観たいわけじゃないんだから、あくまで脇のアシストをしてくれていればそれでいい。以前もあったじゃないですか。大久保さんにアイドルソングを歌わせて尺をとってしまうってことが。ああいうのが違うんです。

もちろん、編集して流されたものだから全部を映しきってはいないはずですが、編集したうえであの内容では、まるで駄目です。

 ことほどさように、演出的不備の大いに目立つ回でありました。そして、これがもう本当に悲劇的なのですが、デビュー曲たる「TOKYOセクシーナイト」のMV。監督が品川庄司の品川らしいのですが、いやあ、何なのでしょうか。そういえば初代の最終回、なぜか品川庄司が出てきましたね。視聴者が目に焼き付けるべき、記念すべき「バナナ・マンゴー・ハイスクール」のスタジオ演奏においても、過去の回でいっっっっさい出てくることのなかった彼らがしゃしゃり出てきて、なぜかメンバーと一緒に踊っていた。どんな事務所事情があるか知らないけど、本当に無意味な演出だった。あれで憤らない人間が、初代のファンにいたでありましょうか。
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 そして今回のMVです。いや、品川ヒロシ監督は映画も何本も撮っているのだし、いいものを撮ってくれればそれでいい。別に誰が撮ろうが本質的には関係ない。にもかかわらず、なんですかあのMVは。メインのメロディが流れる間、メンバーたちのダンスをほとんど正面から押さえていないうえに、ほんの数カットを覗いてカメラ目線すらない。せっかくの独特な振り付けがまるで効果的に捉えられていないうえに弛緩したカットが覗き、決めのショットもつくれていない。フレーズごとに決め画をつくりやすい楽曲なのに、ぜんぜん咀嚼できていない。スタジオで撮ったもののほうがよほどうまく撮れているとは、どういうことですか。「ハニーとラップ」や「親不孝ベイベー」のディレクターは百倍うまく撮っていたよ!

 これほどの豊富な食材を用いながら、まるで料理の手が荒く、手つきが細部に行き届いていない。練り込んでいけば、もっともっと、輝かせられるはずなのです。
 原石を抱えた職人が雑な仕事をしているのを見て、本当にむず痒い思いになる。
 もう本当に、俺にやらせろ! と言いたくなって仕方がない。
 おまえはド素人じゃないかって? ああそうだよ、そのド素人にそう思われてちゃ駄目なんだよ! こっちは真剣に観ているのです。考えてみてください。AVというのはそれこそ真剣に、没入して観るものなわけじゃないですか。であればこそ、AV女優が出るバラエティもまた真剣に観てしかるべきなのであります。バラエティの作り手が、本当に真剣にバラエティをつくっているというなら、その様をどうか見せてくれ!

 ともあれ、今後も応援していくことについては、なんら思いは変わらぬのであります。
 どうか、香しき葡萄の木に実りあれ!

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by karasmoker | 2015-11-06 00:00 | 恵比寿マスカッツ | Comments(0)
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