それでもぼくが三宅洋平を支持する理由

 政治に対するぼくの基本的な考えとして、「邪悪かどうか」というのがある。
 むろん、邪悪なものを受け入れたくはない。
 だから民族ヘイトとか、密告を促進するようなメッセージとか、そうしたものはまるで受け入れられない。憲法を変えて人権を奪おうという政党や、その政党に与する人々の思想も、受け入れるわけにはいかない。裏を返せば、邪悪でないと感じるものは、聞く価値があると思う。

 さて、ここに三宅洋平という人物がいる。
 彼は陰謀論を信じたり、エセ医学に傾いたり、足りない部分がかなりある。その点は多くの人が指摘している。ただ、彼の演説を聴く限りにおいて、彼が邪悪であるようには思えない。ここはぼくにとって肝心な部分だ。

 突き放して言ってしまえば、彼には「バカ」なところが多分にある。しかし、彼の直すべき点というのは、修正が可能なレベルである。ぼくにはそう感じられる。

 では、なぜ感じられるのか。彼の演説を見て、聞いて、その内容は決して邪悪でないと思えたからだ。彼の演説は憎しみを煽るものでもなければ、人々の分断を促すものでもなく、そこに邪悪さはないと思えたからだ。「音楽ばっかやってきて脳の容量いっぱい余ってる」という彼ならば、陰謀論の危うさやエセ医学の無意味さを理解できると思うのだ。

 ここまで書いて、まるでポジティブな理由がないことに気づく。
 彼が「邪悪」でなく、「修正可能なレベルのバカ」であることは、推す理由にならない。
 邪悪でなく、賢い人間を推すほうがいいはずだ。
 そうとわかったうえで、なぜ彼を推すのか。

 演説からもたらされるエネルギー、と言うと、あまりに簡単すぎるかもしれない。
 しかし、まずはそれが答えだ。

 演説中、彼が繰り返し言ったこと。
「ポデモス! おれたちはできる!」
「おれは票を割りに来たんじゃない! 掘り起こしに来たんだ!」 
「投票に行かなかった4922万人で、日本は変えられる!」

 こういうメッセージを繰り返し放つ人間を、ぼくは見たことがなかった。
 日本の人々の多くは今、政治に対して「学習性無気力」とでも言うべき状態にあると思う。学習性無気力とは、期待や努力が繰り返し繰り返し裏切られることにより、「どうせやっても駄目だ」「どうせ変わらない」と、その気力を失ってしまう状態のことだ。

 その状態をなんとかしたい! と訴えるのは、バカさを補ってあまりあるエネルギーだとぼくは思った。残念ではあるが、これまで野党として戦ってきた人々からは、彼のようなエネルギーを感じることがぼくにはできなかった。棄権してきた多くの人間もそうかもしれない。

 野党には堅実な実務家もいるだろうし、老獪な有力者もいる。けれど彼のように、バカみたいに、学習性無気力を打破しようとする政治家を、ぼくは見たことがなかった。そして今回、有力とされる他の立候補者たちに、彼のような熱量を感じさせる人間を、ぼくは見出すことができないのだ。

 彼の熱量については、ネット上の検索数も証左となろう。「選挙は祭」と幾度も唱え、今回の立候補者でもダントツの検索数を誇っている彼は、それだけ人々を引きつける熱量を帯びている。ただトンデモな主張を言っているだけなら、そうはならない。あのエネルギーは、希有なのだ。たとえ彼が嫌いな人でも、そこは認めてくれるんじゃないかと思う。

 繰り返し言う。彼はある面においてバカであり、その知的姿勢にも問題がある。
 批判する人の中で、ある人は障害者にまつわる発言を捉え、ある人は人工地震にまつわる発言を捉え、ユダヤ陰謀論を捉え、ホメオパシーを捉えるだろう。

 批判する人たちに言いたい。
 ぼくも同意見だ。
 もしも当選したりしたら、大いにぶっ叩くべきだ。
 そして、彼の間違いを認めさせたい。皮肉でなく、本当にそう思うのだ。

 そして、彼があのエネルギーを、正しい方向に持って行けるよう働きかけたいと思う。
 もしそれが可能ならば、護憲派にとってものすごく大きな味方になるとぼくは思う。
 真面目で素直に党則に従う優秀な政治家には、できないことができるとぼくは思う。

 そのエネルギーに、危険さを見出す人もいるだろう。
 だが、彼は邪悪ではないとぼくは感じる。圧倒的なポジティブさがある。自分らしくあれる社会をつくろうと訴えている。憲法が国民を縛るなんてまっぴらだと、真っ当な感覚を持っている。ぼくの目には、そのように映るのだ。

「大きなエネルギーのあるバカ」「小さなエネルギーの実務家」。
 粗悪な改憲を食い止められるのはどちらだと思うか。
 これまで切り込めなかった部分に、突っ込んでいけるのはどちらか。
 ヒーローの訪れをいたずらに願うのは危険だ。
 同様に、ヒーローなんかいないと思いすぎてしまうのも危険なことだ。

 はからずも、ずいぶんと長くなってしまった。
 以上のことをもってぼくは、三宅洋平を支持したいと思う。
 もっと書くべきことはありそうだけれど、まあ、それは当選の暁に。

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by karasmoker | 2016-07-09 14:59 | 社会 | Comments(2)
Commented by そんなに好きなら at 2016-07-11 22:40 x
身体悪くしたら邪心のない3歳児に手術してもうといいよ、あなたは
Commented by karasmoker at 2016-07-12 01:28
ぼくはニセ医学を否定します。医師免許のない人間による施術を拒否します。
あなたは推奨されるわけですね。
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