ネトウヨとは何であるか、についての簡単な整理。

 最近、「ネトウヨ」について考えています。彼らはどのような思想を持っていて、どのような人間であるのか、考えているのです。自分の思考を整理する意味で、分析を試みたいと思います。と言って、ぼくにはネトウヨの知り合いがいるわけでもないし、仮にいたところでそれを一般化することもできない。定量的な調査をしたわけでもないため、ぼくがこれより述べるのはあくまで印象論に過ぎません。

 いや、あるいはぼくが考えたいのは、少し別のことかもしれない。「ネトウヨがどのような思想の人々か」ということより、「どうしてネトウヨはネトウヨになるのか」「どうしてネトウヨはネトウヨであり続けようと思うのか」についてのほうが、興味がある。その人がなぜ、ネトウヨ的なあり方に駆り立てられるのかを考えてみたいのです。

 さて、先ほどからネトウヨネトウヨと言っていますが、「その用語の定義は何なんだ」ということがよく言われるようです。万人が同意できるのは「ネット右翼の略称」ということでしょうが、その内実となると確かに難しい。そもそも右翼とは、なんてことを考え出すとそれだけでたいへんな作業だし、安倍政権を支持していればネトウヨということでもないし、中韓に批判的なことを書けばネトウヨというのも乱暴です。そもそも、「安倍政権を支持」と一口に言っても、それが経済政策への支持なのか、外交への支持なのか、積極的な消極的かなど、中身は一様ではないでしょう。この用語は実のところ、定義が難渋なのです。

 ただ、ネット上における特徴的な振る舞いから、その定義を試みることはできるかもしれません。たとえばツイッターにおいて、中国人や韓国人、在日外国人を罵倒する発言。それを繰り返す人々はネトウヨだと個人的には思います。中韓の政府を批判するのとは別に、「犯日支那人」とか「姦国人」などというように、あえて漢字をいじくったりまでして攻撃的な物言いをする人は、ネトウヨと言って差し支えない気がします。「パヨク」と言って左翼的言論・政治家を揶揄したり、「嫌韓・嫌中」をわざわざツイッターのプロフィールで表明したりする人も、ぼくが想定するネトウヨの人たちです。中国や韓国、北朝鮮での事件や不祥事のニュースを多くリツイートするのもネトウヨ的振る舞いと思われます。

 もっと言うと、ことさらに「日本が好き」「日本に生まれたことが誇り」などとプロフィールに書く人も、ぼくの想定するネトウヨです。ぼくはこの地球が好きだし、日本が好きだし、両親が好きですが、いちいちそれを書こうとは思わない。多くの人々もそうでしょう。それをわざわざ表明したくなる心性は、ネトウヨ的振る舞いのように見受けます。

 では、支持政党はどうでしょう。ネトウヨで民進党や共産党を支持している人はおそらく皆無で、支持するのはやはり自民党、ないしは日本のこころ、あるいはさらに右寄りの、今は議席を持っていない政党が対象となるでしょう。その中でも支持する政治家は安倍総理をはじめ、特に稲田防衛大臣や青山繁晴議員、片山さつき議員、高市早苗議員といったあたりでしょうか。彼や彼女たちをことさらに応援する発言、リツイートを繰り返す傾向が見られるように思います。そしてそういう人たちは同時に、民進党の辻本清美議員や有田芳生議員などに批判的な発言、リツイートを繰り返すこともあるのではないでしょうか。それをすればネトウヨだ、というわけではなく、ネトウヨの人にはよく見られる振る舞いであるという印象の話です。

 余談ですが、少し興味深い出来事があります。右派のネット局として有名な「チャンネル桜」。ここでは右派的な言論がメインでなされるわけですが、自民党の西田昌司議員への反応が面白いのです。西田議員は人気のコメンテーターだったようですが、あるときを境にYouTubeでの反応が「低評価」ばかりになった。それはいつかといえば、ぼくが記憶する限り、彼がヘイトスピーチ規制にまつわる法案成立に積極的に取り組んだ頃からです。彼は自民党の議員でありながら(少なくとも「チャンネル桜」の視聴者層には)批判的な姿勢をもって迎えられているようです。それが何を意味するかは、ここでは触れません。

 ネトウヨと思しき人々の興味としては、「ヘイトスピーチ規制」「生活保護の不正受給」「パチンコ」「朝鮮学校」「外国人参政権」などのトピックが他にも挙げられるでしょう。歴史問題もそうですね。慰安婦や南京、あるいは領土問題も重要ですし、憲法や靖國神社に関することも大いに関心を惹くところでしょう。むろん、天皇陛下にまつわることもあります。なにしろ話題は多岐に渡りますから、こういう発言をしたらネトウヨだと決めるのは難しい。そこがネトウヨの定義の難しさであろうと思います。

簡単な整理を試みます。

①中国や韓国や北朝鮮が嫌いである。その言動が気になる。
②自民党・日本のこころ・さらに右寄りの政党のいずれかを積極的に支持している。
③民進党や共産党が嫌いである。その党や議員の発言に批判的である。
④歴史認識問題、領土問題に関心があり、中韓の対応に反対する。
⑤保守とされる著名人を好ましく思う。

 以上のような姿勢をネット上で繰り返し発言したり、リツイートしたり、あるいはそれに反対する人々に意見をぶつけたりするのが、ネトウヨであろうと思われます。上の①~⑤のうち、いくつを満たしているかでネトウヨ度は変わるでしょうし、発言頻度の多さやリツイートの頻度なども度合いの要素になるように思います。たとえば③や④を満たすだけではネトウヨではないし、「韓国きらーい」と何気なく書き込んだからネトウヨというものでもない。その種の発言を繰り返したり、攻撃的な発言をぶつけたりするたび、ネトウヨ度は上がっていくでしょう。

 狭義のネトウヨとしては、「①~⑤をすべて満たし、なおかつそれをネット上で何度も、長期にわたり表明している人」ではないかと思います。

 はあ、長くなってしまった。ぼくが書きたいのはこんなことじゃなかったのです。
 これはあくまで準備。
 ぼくが考えたいのは、「ネトウヨはなぜネトウヨであり続けようとするか」のほう。
 次の記事に回しましょう。


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by karasmoker | 2016-10-01 20:50 | 社会 | Comments(0)
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