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カテゴリ:ベストリスト( 6 )

いやあ、ゲームって本当にいいもんですねえ。

前回の続きです。個人的ベストテンですが、誰でも知っている有名作品ばかりです。

『スーパーロボット大戦F/完結篇』(PS バンプレスト 1998/1999)
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スパロボは友人の家で知って、小学校の頃などは一日中やっていたものです。スパロボをやって、外で遊んでというのがゴールデンコースでありました。ここからガンダムを覚えたりなどした世代なのです。いろんなロボットアニメを教わりました。マジンガーとかゲッターとかエルガイムとかビルバインとかね。実際にやったのは第三次、第四次、EX、それと本作とαまで。ああ、あとは「新」なんていう変わり種もありました。そんな中でも大ボリュームなのがこのFです。エヴァが初めて出たのもこれですね。はっきり言って終盤などはクソ難しくて即コンティニューなしでは進みようがなかったし、敵同士の撃ち合いを延々と見せられて手の出しようがないなどと、課題も多かった作品でありましたが、その分だけがっつりとやってしまったものであります。

『ファイナルファンタジーⅨ』(PS スクウェア 2000)
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FF枠としては9作目を推します。といっても、ぼくがやったのは4を途中までと、5を途中まで。がっつりやったのは6とあとこの9だけなんで、それほど深く接してきたわけではありません。7や8は世代的に触れていてもよさそうなものですが、主人公がホストくさいのを見て、まったく興味がなくなりました。あんなホストくさい主人公と旅をする気にはなりませんで、それは10以降でもそうなのです。
9がいいのは、キュートなファンタジー世界観をばっちり決めてくれているところです。頭身数の多いリアル系ホストキャラでいくより、断然こっちのほうがいい。それならもっとぼくはFFに注目するのに、と思ってしまいます。かつてのドット画が正しく成長した感じというか、ドット画の向こうに見ていた発展形はまさにこれだよと言いたくなる素敵なキュートさに充ち満ちていました。世界観がまったくもってぼく好み。世界崩壊という大イベントがある6も同じくらい推したいし、宿敵としてはクジャよりもケフカのほうが断然好みなのですが、9のキュートさに軍配を上げます。6が9的な形でリメイクされたなら、ぼくはそれを推すと思いますが、ううむ、微妙なところです。ぼくがファンタジー系映画にほとんど興味を持てないのはひとつに、この9のキュートな世界があるからです。こっちのほうが、ずっと飛び込んでみたい世界ですもの。

『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』(SFC/PS2 エニックス/スクウェア・エニックス 1992/2004)
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ドラクエシリーズのナンバリングタイトルは新作二作を除き、すべて手を出しております。VをきちんとやったのはPS2版のほうです。Ⅷについては後述しますが、個人的にVはシリーズの中でも一番の傑作ではないかと思っています。といいますのも、この作品は他のドラクエ、そして双璧をなすFFが十作以上出してもいまだやっていないことを、唯一やっているんですね。それは何かと言えば、主人公の一生を追うということ。一生と言ってもまあ老年などは描きませんが、子供の頃から成長して子供を持つ大人になるに至るまでを追っている。その過程での父との物語などを描きつつ、実に長い時間をその中で描いている。このアイディアは凄いです。
 Vに関して感動的なことがあと三つあります。ひとつには、勇者の証である天空のアイテムを装備できるのが主人公ではなく、その子供であるということ。この発想は凄い。普通ならば、プレイヤーがずっと育ててきた主人公を勇者にする、どんなゲームもそうする。でも、これは違う。本当に勇者たり得るのは自分ではなく、次の世代だという思想。なんて大人の考え方でしょう。しかもそれがいわば子供をターゲットにしたものでなされており、子供たちには「君たちが次の時代を担うんだぞ」というメッセージにもなっている。これはものすごく鮮やかな設定です。もっともっと褒められていいはずです。
 そして、妻を選ぶイベントがあること。幼少期の思い出があるビアンカと、金持ちの家の娘のフローラを選ぶわけです。なんて設定でありましょう! これも、子供の頃の思い出ゆえの結婚、みたいな閉じ方をしていないのですね。大人になったらなったで、まあ別の出会いもあるんだよ、というのが効いているじゃないですか。相手が金持ちのご令嬢だというのもなかなか攻めている設定です。一方のビアンカは一人山奥の村で、病気がちの老いた父(しかも実父ではない!)と密かに暮らしている身。なんという選択を子供のプレイヤーに迫るのでありましょう!
それとやっぱり外せないのは、モンスターを仲間にするということ。これはねえ、これは凄いんです。それまではね、いわば「導かれし者たち」が仲間だったんです。モンスターは外敵でしかなかった。でもこのVはそこを裏切ってきた。かつては敵でしかなかった山野の獣を、欠かせぬ友として旅を続ける。これは感動的な設定です。社会的な正しさもここにはあるように思いますね。一部の選ばれた人間だけが友ではない。敵対するものの中にもわかりあえる相手がいるはずだ、というメッセージがある。このドラクエV以上に、意味的に優れた設定を持つRPGを、ぼくは他に知りません。
 
『実況パワフルプロ野球11』(PS2 コナミ 2004)
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パワプロは’97、98、99、そしてこの11をやっています。ハードやなんかで数え方が違うんですね。パワプロ枠として一番やったのがたまたま11だったということですので、12を買っていたら12と言うかもしれません。パワプロはやっぱり外せないのです。野球ゲームというと「ファミスタ」がありますけどちょっと前の世代のものという印象で、今だと同じ人気タイトルの「プロ野球スピリッツ」がありますがこれはリアルもので好みではない。それと何より大きいのはサクセスモードですね。サクセスモードはめちゃめちゃやりました。回数を重ねていけば大体同じようなことになるんですけど何度もやってしまうという、まさにゲーム=麻薬的な快感を覚えさせる優れたシステムでありました。野球ゲームと育成シミュレーションのまさしき融合、というのは言わずもがなですね。

『メタルギアソリッド3』(PS3 コナミ 2004) 
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はい、これまた王道中の王道です。PS版の一作目の体験版が、確かパワプロの97だったか98だったかに同梱されていて、それをやってみたら面白そうで購入、というのが出会いだったと思います。以来、一作目、二作目、そしてこの後の四作目と楽しんできましたが、ぼくはナンバリング最新タイトルの4よりも、この3こそが傑作だと思っています。1も2も、敵地の建物に乗り込んでの話で、狭いと言えば狭い空間だったわけですが、この3ではジャングルはあるわ高地はあるわと広がっていて、ムービーシーンのクオリティも本当に映画級のものになっていた。これは感動的でした。相当やりこんだ覚えがありますね。ケロタンを全部撃ってステルスを獲得したり、敵兵をからかって遊んだり。
 MGSの面白さなんて誰しもが語っているところでしょうけれど、とりわけぼくが感動したのは、あのジ・エンド戦です。ボスキャラが複数出てくるのですが、その中の一人が老人スナイパーのジ・エンドという敵なんです。で、一般的に言ってボスキャラというのは、言ってみれば限定空間の中で、さあ殺し合うぞと向き合うわけじゃないですか。勇ましい音楽とかが流れてね。このゲームでも大体はそうなんですけど、このジ・エンドは違うんです。広い森の中で、どこにいるかわからないんです。まったく対戦中という感じがしないというか、音楽も何もない。ただ、静かな森の中で、どこかわからない遠くのほうから狙撃してくる。敵が見えない緊張感。こんなボス戦は見たことがない。
 で、ぼくが震え上がったのはこのときです。ジ・エンドがどこにいるかわからないので、ぼくもスネークを操作して、スナイパーライフルを装備して、スコープを覗き込むわけですね。で、どこだどこだと遠くの狙撃地点を探すわけです。しかし一向に見つからないわけです。すると、ジ・エンドの声がすぐ間近で聞こえる。えっ、と思った瞬間、カメラがズームアウトして、すぐ背後で銃を向けられているのがわかる。で、撃たれてジ・エンド。これは本当にびびりました。同時に、なんてすごいアイディアだろうと思った。これがあるだけでもこのゲームは押せる、というくらいです。
 出来の良さ、ストーリーの面白さは言うまでもない。4も好きですが、実際の歴史を踏まえてみたり、森でサバイバルをするなどの要素を加えてみたりという点などを考慮すると、やっぱりこちらが最高傑作という風に思います。

ここまで十選。

延長戦!

『ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君』(PS2 スクウェアエニックス2004)
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ドラクエ5のすごさは書いたとおりですけど、いちばん時間を費やしたのはこの8です。8はもう本当に感動的です。ぼくはこの8があるので、9も10もやる気がしないんです。7から8の発展って、すごいと思うんです。それまでのドラクエには、空がなかったんです。上から見る形ですから。でもこの8は立体的そのもので、世界中を旅して回るわけじゃないですか。あの鳥山明の画の世界を旅して回るその快楽。だから9がDSになるとか聞いたときはもうがっくりでした。この8のままで行ってくれていいのに。ネット通信とか要らないから、8の世界をもっともっと広げていけばいいのに。この8の世界は本当に動き回っていて気持ちがいい。動き回るだけで気持ちがいいゲームって、傑作だと思うんです。そんな風に思わせてくれる作品でした。

『SIREN2』(PS2 ソニー 2006)
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実はこれは実際にプレイしたことがありません! ネットのプレイ動画で見ただけです。理由は怖いからです。ぼくは映画にも小説にも漫画にもびびりませんが、ホラーゲームには大びびりの人間なのです。ホラーゲームより怖い映画なんて、ぼくは見たことがないです。それくらい怖いんです。『バイオハザード』って、もともとがアメリカ風じゃないですか。でも、こちらは純日本的。しかも土着の日本って感じ。どこかで見たことがあるようなド田舎の景色。その敵の視界を手がかりに動き回るというのもすごいし、動かすキャラクターがか弱い少女で一切攻撃ができないとかの縛りもえげつない。実際にプレイすることはできないへたれものですが、観ているだけでこれはすごく怖くて面白いゲームだな、と思わせてくれる作品。これより怖いゲームってあるかってくらい、ぼくはこの世界観が怖いですねえ。

あとは『みんなのゴルフ』とか『ワンダと巨像』とかも入れたいところですが、きりがなくなるのでこの辺で。皆さんも自分の思い出のゲームを考えてみるとよいでしょう。いろいろと記憶の扉が開くんじゃないかと思うし、それは映画よりももっと体感的なものでありうるかもしれません。
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テレビゲームについての記事です。

 映画を観る、語る気持ちにならぬ状態が続いております。今回は趣向を変えまして、個人的「テレビゲーム・オールタイムベストテン」をやってみます。映画ではオールタイムベストテンというのはよくありますが、ゲームではあるのでしょうか。寡聞にして知りませんで、やってみたら面白いんじゃないかと、まあそんな気まぐれでございます。ぼくにとってゲームというのはほとんど麻薬的なものがあります。やったら確実にはまるのであって、その愉しさは映画の比ではないとさえ思うのであって、ゆえにそうそうやるものではないと決めております。しかし人生の中で、がっつりはまったものはそれなりにあるのでして、そういうものを並べてみようじゃないかと、まあこういうわけでございます。

 ぼくが所有してきたゲーム機はというと、ファミコンに始まり、スーパーファミコン、PSの1、2、3。そして、実家の母が何かの懸賞で当てたけれど使いようがないからという理由でもらったWii。セガやマイクロソフトにはぜんぜんお世話にならずに来たのであります。

 わりと王道のものが多いというか、知る人ぞ知る! みたいなのはありません。べたべたやな、と思ってもらってよいです。なにしろ小中の頃はそれほど多く買えないから当てにいきますし、金銭的に余裕で買えるようになったらなったで別のことに時間を割かねばならぬからそれほどいろいろ手は出せないしというわけで、そんなコアなものにはいかなかったのです。

 ゲームと言っても広いですからね。一本も被らない人もいれば、結構被る方もいるでしょうか。寸評を挟みつつ見ていきましょう。順位付けは困難なので、発売年順に書いていきます。

『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(SFC 任天堂 1991)
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言わずと知れた人気シリーズですが、ぼくはこの前作も後の作品もやっておらず、この一本だけです。「ファンタジー」というものに生まれて初めて触れたのは、もしかしたらこれかもしれないなあと思います。そして、幼かったぼくは謎解きができず、攻略本というものに初めて頼ったのもこれでした。これはなるほど、人気が出るよなあと今にして思いますね。ゲームバランス、システム、シナリオ、謎解きの快楽含めて、ほとんど言うことなしと言える一本じゃないでしょうか。で、怖い場面はきちんと怖くつくってあるんですね。霧の立つ深い森の中とか、豪雨の沼地とか、本当に怖かった。適度に怖かった。その中を主人公リンクを動かし、えいやっと飛び込んでいく。このテレビゲーム的快楽。そして一方で、穏やかな場面はほっと安心できるつくりになっている。その緩急。姫を救い出して世界を魔の手から救うのだ! という直球的なシナリオもわかりやすくていいし、音楽もいい。でも、こう書いていると思いますね。今、ゼルダをやっても、あの頃のような冒険はもうできないだろうなあって。それくらいに鮮やかに、残っていますね。小四の頃に引っ越していった樋口くんは、あの頃のことを覚えているかなあ。

『ヒーロー戦記 プロジェクト・オリュンポス』(SFC バンプレスト 1992)
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当時のぼくはウルトラマンと仮面ライダーに魅せられまくっていたのでして、「将来、自分はきっとウルトラマンか仮面ライダーになるに違いない」と素朴に信じていたのでして、とにかくこの二つが大好きで、その夢の共演が果たされた正統派RPGです。その二つとガンダムの夢のコラボです。当時はガンダムを知りませんで、あまりその存在をよくわからずにプレイしていましたが、ガンダムも知った上でこのゲームをしていたら、精通もしていないのにエクスタシーを感じていただろうと思います(あほ)。これをきっかけに「グレイトバトル」や「バトルドッジボール」など、いわゆる「コンパチヒーロー」シリーズが大好きになりましたが、その中でも一番の良作、傑作じゃないかと思います。小ネタも満載だし、各シリーズのエピソードもふんだんに盛り込んでいます。主人公はウルトラセブン、仮面ライダーブラック(RX)、そしてガンダム(ニューガンダム)です。この辺もいいんですねえ。ウルトラマンじゃなくてウルトラセブンを入れてくるあたりが、もう本当によくわかっている。世代的にブラックにはまったので、これもありがたかった。
 他にもサブキャラとして各シリーズの仲間たち、敵たちがいっぱい出てくるんです。これより後に『ガイアセイバー』や『スーパーヒーロー作戦』などの同種のRPGがリリースされましたが、もう圧倒的にこの『ヒーロー戦記』のほうがよくできている(というか、後の二つはゲームバランスが悪すぎる)。中盤で仲間がバラバラになってしまうエピソードなどもあるし、ラスボスにも驚きがあるし、シナリオもすばらしい。これは傑作だと思いますね。

『大貝獣物語』(SFC ハドソン 1994)
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 考えているといろいろ浮かんできてどれにするか迷ったのですが、これを入れることにしました。ファンタジックな正統派RPGです。当時、ぼくの周りには「コロコロコミック派」と「コミックボンボン派」がいて(「ジャンプ派」「マガジン派」などが出てくる前の幼い頃ですね)、ぼくは後者でした。『コミックボンボン』と『デラックスボンボン』はぼくが人生で唯一購読した漫画雑誌です。あの雑誌はカプコンやバンダイなどとタイアップしていて、それらのゲームを題材にした漫画がよく載っていました。その中のひとつがこの『大貝獣物語』。漫画につられて買ってみたらとても面白いゲームでした。
 書きながら気づくのですけれども、ぼくはとにかくゲームにキュートなものを求めてしまうたちなのですね。というか、大人っぽいものへの抵抗というか恐怖というか、そういうのもあったのです。出てくるキャラクターが可愛らしかったし、世界観もよかった。今にして思うと、ボリュームもかなりの量なのです。かなり長い。でもその分だけ、世界にどっぷりと浸かって愉しんだという記憶があります。
 それにしても、繰り返しになりますが、こうして書いていると当時はなんと無邪気にゲームを楽しめたのだろうと思いますね。余計なことを考えずにゲームの世界に浸っていた。それはもう無類の愉しさだった。もうそんなことはないんだろうなあと思うと、少し寂しくなったりもするのでありました。

『不思議のダンジョン2 風来のシレン』(SFC チュンソフト 1995)
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これはねえ、この不思議のダンジョンというのはねえ、ゲームとしての設計の妙という点では、古今東西のゲームを集めてきても、五指に入るんじゃないですかねえ。それくらい美しいゲームだと思います。非常によくできている。
 ダンジョンに入って進行していくんですが、敵とプレイヤーはまるで将棋みたく、一ターンごとに動くわけです。で、そのダンジョンというのは毎回違う迷路みたいなもので、落ちているアイテムも毎回替わる。だから毎回新鮮な気持ちでゼロから始められるし、毎回毎回で違う悩み方をする。運の要素、つまりは不確定要素に充ち満ちたゲームで、これは大変な発明じゃないかと思います。一作目のトルネコにもはまりましたが、オリジナル世界であるこのシレンは仲間やアイテムといったシステムが大幅に広がり、世界としてとても豊かになっています。褒め言葉として言えるのは、「やられ方が実に豊富」なんですね。いろんなやられ方がある。まさかここでというところでやられたり、すべてが順調にいっていたのにたった一度の判断ミスでぼろぼろになったり、時には即死したり。トルネコでの出来事としてですが、「難敵に向かってラリホーの杖を振ったら、その敵と自分の間に見えない敵がいて、杖の効果が反射してしまって、眠りに落ちて、ぼこぼこにされて、死ぬ」なんてことがあったときには、ショックと感動が一挙に襲ってきました。そういうものに充ち満ちている不思議のダンジョンシリーズ。トルネコでもいいのですが、独自の世界観とゲームの幅の広がりの点で、シレンを挙げておこうと思います。

『チョロQ3』(PS タカラ 1998)
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レースゲームの代表格と言えば、何なのでしょう。『グランツーリスモ』とか、『リッジレーサー』とか、あるいは『マリオカート』がそれに当たるのでしょう。ぼくはリアル方面にまったく興味が湧かなかったので前者の二つには触れたこともなく、『マリオカート』はSFC版こそ友人のものを一緒にやったりしましたが(思えば幼かったあの頃はぼくの人生における実に淡いモテ期。)、それほどがつんとは来なかった。そんなぼくが好きだったのがこのチョロQシリーズです。1~3と、「ワンダフォー」までやりました。チョロQと言ってもぜんまい仕掛けでなく、普通のレースカーとして登場するんですが、チョロQが時速百キロ以上で走ったりする馬鹿っぽさがとてもキュートに思えたのです。船とか飛行機の作品もありますが、「それはもうチョロQじゃない」と醒めました。大ジャンプするコースがあったり、水の中を走ったり、変なコースを走ったりというのは、後の『マリオカートWii』などよりずっと早くこのゲームでなされているのです。チョロQシティというのがあって、そこを冒険するような楽しみも加味されており、とても面白かった作品です。

後半は次回。
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そろそろと年の瀬でございます。
 年の瀬に映画ブログがやることっつうのはだいたい相場が決まっておりまして、まあその一年に観た映画でよかったものを総括するってことでございます。
 ぼくもご多分に漏れず、やってみようと思います。
 このブログも数年ほどのささやかな歴史がありますが、振り返ってみるに、年末にその年を振り返るということは一度もしていないのでありました。
その理由のひとつにはまず、ぼくが新作をぜんぜん観ない人間であるというのがあって、これよりお示しするものもまた、旧作ばかりなのでございます。
 先にばらすならば、今年公開の作品というのはひとつも入っていないのであります。
なんたら映画ブログでありましょう。
 でもまあ、そういうのは他の皆様にお譲りするのでございます。
 ぼくは皆様の評価を参考として、半年後とかにDVDを選ぶことにするのでございます。

 新作の話題についていけぬというのは、エイガミにとってはもの寂しい面もあるのですが、ぼくは他のエイガミの方々ほど古い映画を観ていないのであります。優先順位としてそちらが断然先なのであります。
 というより、正直な話、話題の新作がどうのこうのという話題それ自体、ぼくにとってはそのほとんどがどうでもいい。ぼくが求めるものは「その映画から何を見いだせるか」に尽きると言ってもいい。ぼくの興味は近頃とみに、映画がどうであるかそのものよりも、映画から何を読み取るかへと傾いています。

 この辺の話は無駄に長くなるのでやめておきましょう。

さて、これまた今までやったことのないことですが、ベストテン形式を採用してみます。
 ただ並べるよりも、多少のイベント性というか企画性というかなんかそんなのを持たせた方が読み応えもあろうという愚考であります。しかし、本来であれば、個人でベストテンをつける行為は好ましいものではありません。
 ベストテン形式にしていますが、こんな順位などあってなきがごとしであります。そもそも年代自体がばらばらであるし、描かれようとしていることもばらばらですから、順位をつけようがないのです。じゃあ順位付けするなということであって、まことにその通りでございますが、とかく人の世は順位なるものに拘泥するのが習いで、代理店に愛された48人の順位をめぐって、誰も彼も浮かれ騒いだのも今年のことでございます。ぼくとしてはアイドルなどは順位など気にせずに楽しめばよいと思うのであって、ここでも順位は気にせずに読んでほしいのであります。

 そろそろいい感じでじれったくなった頃合いでございましょう。
 このベストテンは今年、当ブログで取り上げた映画から選んだものです。
すべて旧作です。新作のランキングを観たい人はよそにいってください。
 それでは行ってみよう!


10位! 『トーク・レディオ』 オリヴァー・ストーン 1988
何かを伝える覚悟がおまえにあるのかよ? と殴りつけてくる。
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9位! 『ヤング・ゼネレーション』  ピーター・イェーツ 1979
必死になった一瞬は一生を支えてくれる、と思わせる。
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8位! 『何がジェーンに起ったか』 ロバート・アルドリッチ 1962
 一つの舞台と二人の女優がいれば傑作は生まれる。
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7位! 『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』 ギレルモ・デル・トロ 2008
娯楽作品として言うことなし。
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6位! 『サイドウェイ』 アレクサンダー・ペイン 2004
この映画に惹かれる人と、ぼかあ酒が飲みたい。
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5位! 『パッチ・アダムス』 トム・シャドヤック 1998 
笑いは人を救う。そのことを心底信じている人は、完璧に格好いい。
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4位! 『ミツバチのささやき』 ビクトル・エリセ 1973
 ぼくたちがいるのは、たかだか社会というものの内側に過ぎないのではないか?
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3位! 『ジョニーは戦場へ行った』 ドルトン・トランボ 1971
 徹底して嫌な映画。だからこそ戦争映画として最も価値がある。
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2位! 『テルマ&ルイーズ』 リドリー・スコット 1991
90年代に現れたANCは解放感に充ち満ちた女性の二人旅、そして圧巻のラスト。
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1位! 『哀しみのベラドンナ』 山本暎一 1973
 夏にお薦めいただいた作品で、レンタル困難ゆえに思い切って買ったら大当たり。度肝を抜いてぶるぶると震えさせるド傑作。アニメーションとは何か、映画とはいかなるものかまでをも考えさえてくれる一作。
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いざ並べてみると、いやあ面白みのないというか、まあ世間で既に賞賛されてきたような作品が多いことであります。それが傑作なのはいまさら言われなくなって知ってるよ、というものばかりでありましょう。新作を追いかける趣味のある方などは、この辺のものは至極当然に観てきたものでありましょうが、ぼくはまだまだ古い名作に出会い足りずにいまして、それはそれで幸福なことであるなあと思っています。「なにさま映画評」の二つ名は「いまさら映画評」でもあるのです。いまさら観てみるのも、いいものなのです。 レンタルビデオ・ファンタジーなのでございます。

ベストテンには入れませんでしたが、未見の場合はぜひに観てほしいものを以下に列挙しておきます。

『3時10分、決断のとき』 ジェームズ・マンゴールド 2007
『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』 山中貞雄 1935
『イリュージョニスト』 シルヴァン・ショメ 2010
『ロンゲスト・ヤード』 ロバート・アルドリッチ 1974
『鬼畜』 野村芳太郎 1978
『パプリカ』 今敏 2006
『渚のシンドバッド』 橋口亮輔 1995
『フィクサー』 トニー・ギルロイ 2007
『必死剣 鳥刺し』 平山秀幸 2010
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』 押井守 1984
『リトル・ミス・サンシャイン』 ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ヴァリス 2006

年末はそれなりに忙しく、記事をアップできてもひとつかふたつになりそうで、だったらまあ決まりのよい記事で終わってもよかろうということで、今年の更新は今回をもって終了とします。今決めたのであります。
 
 今年はどうもありがとうございました。多くのレスポンスを賜ることができ、語るうえでの大きな励みになったのでありました。リクエストしていただいた方、ありがとうございました。教えてもらった映画でも数多くのいい作品に出会うことができました。また一方、お薦めいただいたのに酷評をぶつけてしまうこともありました。不快な気持ちにさせてしまったことがありましたら、あらためてお詫び申し上げます。
 ご愛顧いただいている方、コメントはしないけれども読んでいるぞという方、ならびにアンチ様を含めまして、読者の方々に深くお礼申し上げます。
それでは、また来年お会いいたしましょう。See you next year.
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2011年も下半期。映画評サイトによっては上半期ベストテンなどを挙げているところもありますが、ぼくは今年公開の映画を10本も観ていないのであって、旧作ばっかりの日々です。しかしまあ有名な旧作を観ていくのも大切だよ、映画史を捉えていくのは大切だよ、というわけで、7月4日の独立記念日に先駆け、アメリカ映画の50年を振り返ってみます。たまには企画的な回も設けたほうがいいんじゃないか、そのほうがモテるんじゃないか、ことによってはパンティーを見せてもらったりできるんじゃないかと思い、50年の50作を選びました(ツッコミ無用)。

 映画評サイトは数多くあるのですが、その書き手の皆さんは大変映画に詳しいので、むしろこういうベーシックな選出遊びをしないように見受けます。通家通人の皆さんはこの辺の映画を当たり前にずっと前に観ているのであって、むしろメジャーではない、自分の趣味領域を深く掘っているようにも見受けます。海外でしかソフト化されていないような作品を輸入して観たりとか、VHSしか出ていないZ級をひたすらに愛でたりとか、ぼくにはまだまだ踏み入れぬ領域です。

ぼくはそういう部分はてんで話せない程度の人間ですが、一応世間一般の平均よりは映画を観ているので、これから映画をたくさん観てみたいなと思う人を、エイガミ界の入り口辺りで案内しようと思います。

選出基準としては、それなりにメジャーであるもの、映画史的に重要であるもの、その時代の映画として代表しうるもの、とりあえずこの辺から観始めるのがよいよというもの、まあざっくり言うとそんな感じです。ぼくあたし俺映画好きなんですよー、というのならこれは押さえておきたいよ、という作品であります。

 などと知ったような口を聞きつつ、ぼくもまだまだエイガミ学校低学年でありますから、観ていない映画はいっぱいあるのです。え、それ観てないの? という作品を観ていなかったりもします。なので、あの作品が入っていないのはどうかね、というのもあろうかと思いますが、その場合はぜひお教え願いたいと思います。

 個人的嗜好はどうしても選出の中核になりますがその一方で、個人的には好きじゃないけど映画史的に大事らしいよ、というのも入れてあります。映画の話をするときよく出てくるよ、という作品も入れてあります。観ておくべき作品と言えましょう。

逆に、「え、これ入れるの?」というのもありましょうが、まあそれはそれでいいじゃないっすか、全部が全部キネ旬の一位みたいなもん並べたってしゃあないじゃないっすか(急に軽くなったな)。入れたのには一応ちゃんと意味があるのですよ。

監督案内でもあるため、いろいろな人を入れました。多くても1人の監督で2作品までにしてみました。「この監督ならむしろあれだろ」というのもありましょうが、うるさいうるさい、それなら自分でリストをつくってくれ、あんたのリストをぼくは見たいぞ。

 2作品、非アメリカ映画が入っていますが、アメリカ映画を語るうえで大事なので例外的に入れました。映画通ならすぐに気づくのでしょうが、ぼくが読み手として想定しているのは、これからたくさん映画を観てみようと思っている、エイガミ小学校低学年の人たちです。どれが非アメリカ映画か、わかるかな? それでは行ってみよう!

1.『サイコ』 アルフレッド・ヒッチコック 1960
2.『アパートの鍵貸します』 ビリー・ワイルダー 1960
3.『ハタリ!』 ハワード・ホークス 1961
4.『何がジェーンに起ったか?』 ロバート・アルドリッチ 1962
5.『荒野の用心棒』 セルジオ・レオーネ 1964 
6.『暴力脱獄』 スチュアート・ローゼンバーグ 1967
7.『俺たちに明日はない』 アーサー・ペン 1967
8.『2001年宇宙の旅』 スタンリー・キューブリック 1968
9.『猿の惑星』 フランクリン・J・シャフナー 1968
10.『ローズマリーの赤ちゃん』 ロマン・ポランスキー 1968
11.『ワイルドバンチ』 サム・ペキンパー 1969
12.『時計仕掛けのオレンジ』 スタンリー・キューブリック 1971
13.『ポセイドン・アドベンチャー』 ロナルド・ニーム 1972
14.『ゴッドファーザー』 フランシス・F・コッポラ 1972
15.『セルピコ』 シドニー・ルメット 1973
16.『エクソシスト』 ウィリアム・フリードキン 1973
17.『悪魔のいけにえ』 トビー・フーパー 1974
18.『カッコーの巣の上で』 ミロシュ・フォアマン 1975
19.『JAWS』 スティーブン・スピルバーグ 1975
20.『タクシードライバー』 マーティン・スコセッシ 1976
21.『ロッキー』 ジョン・G・アヴィルドセン 1976
22.『カプリコン・1』 ピーター・ハイアムズ 1977
23.『スターウォーズ』 ジョージ・ルーカス 1977
24.『ゾンビ』 ジョージ・A・ロメロ 1978
25.『エイリアン』 リドリー・スコット 1979
26.『トロン』 スティーブン・リズバーガー 1982
27.『ブレードランナー』 リドリー・スコット 1982
28.『スカーフェイス』 ブライアン・デ・パルマ 1983 
29.『ランボー/怒りの脱出』 ジョージ・P・コストマス 1985
30.『ザ・フライ』 デヴィット・クローネンバーグ 1986
31.『ロボコップ』 ポール・ヴァーホーベン 1988
32.『ゼイリブ』 ジョン・カーペンター 1988      
33.『チャイルドプレイ』 トム・ホランド 1988
34.『シザーハンズ』 ティム・バートン 1990
35.『レザボア・ドッグス』 クエンティン・タランティーノ 1992
36.『ジュラシック・パーク』 スティーブン・スピルバーグ 1993
37.『トイ・ストーリー』 ジョン・ラセター 1995
38.『フロムダスク・ティルドーン』 ロバート・ロドリゲス 1996
39.『ファイトクラブ』 デヴィット・フィンチャー 1999
40.『ブレアウィッチ・プロジェクト』 ダニエル・マイリック エドワルド・サンチェス1999
41.『アメリカン・ビューティ』 サム・メンデス 1999
42.『マルホランド・ドライブ』 デヴィット・リンチ 2001
43.『ショーン・オブ・ザ・デッド』 エドガー・ライト 2004 
44.『トゥモローワールド』 アルフォンソ・キュアロン 2006
45.『ノーカントリー』 コーエン兄弟 2007
46.『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 ポール・トーマス・アンダーソン 2007
47.『ウォーリー』 アンドリュー・スタントン 2008
48.『ダークナイト』 クリストファー・ノーラン 2008
49.『グラントリノ』 クリント・イーストウッド 2009
50.『アバター』 ジェームズ・キャメロン 2009


うーん、あらためて見るとずいぶん偏っている気がしないでもない。恋愛的要素がきわめて少なく、暴力的要素が多すぎる気もする。ホラー要素が多すぎる気もする。まあ、どのみちニュートラルな選出なんていまのぼくには無理なのさ。もっと別の視点から50作並べられるのはずっとずっと先だろうね。日本映画もやりたいけど、まだまだ知らなすぎるね。フランス映画でやるとしたら20年くらい先だろうね。アメリカ映画を観る際のなんらかの参考になれば、幸いでございます。
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こういう人間でございま 

 クリスマス。はい、特別に何もございません。世間のカプールたちは性なる夜を過ごしているのでしょう。へへん、俺っちはどうせ一人でマスをかくのさ、クリスマスだけにね!

 正式な統計はわかりませんけれども、おそらく世間の若者には九月下旬、十月初旬生まれが多いはずです。性なる夜を過ごし、勢いで中出しするからです。古い年代はそんなことないでしょうが、平成以降なんかはもうその時期、産婆がサンバを踊るくらい大活況でしょう。

「東京は雪が降らないね、あ~あ、ホワイトクリスマスってわけにはいかないのかぁ」
「そんなことないよ、今日は君にとって、最高のホワイトクリスマスになるはずさ」
「えっ、どうして?」
「それはね、ぼくが君の顔に精液をぶっかけるからさ!」 

 最低のジョークが決まったところで、映画の話をしましょう。でも、実際にこんなカップルはいるはずです。射精した後にクソみてえな男が言ったりするはずです。
下半期は上半期に比べて半分程度しか映画を取り上げなかったので、下半期なにさまアカデミー賞は開催できなくなりました。関係各位の方々、申し訳ありません(誰もいねえけど)。代わりに、もうすぐゼロ年代も終わりということで、なにさま的ゼロ年代ベストテンとしゃれ込みましょう。

 ベストテン、と言いましても順位をつけるのは困難なため、年代順に十選という形にします。
バトルロワイアル 2000
クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲  2001
クレヨンしんちゃん アッパレ戦国大合戦 2002
パッチギ! 2005
奇妙なサーカス 2005 
SAW2 2005
街のあかり 2006
チョコレートファイター 2007
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 2007
レスラー 2008


 以上の十作です。以下、短めにコメントをしましょう。
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『バトルロワイアル』 深作欣二
 誰もが知っている大殺戮劇ですが、これはやはり傑作でしょう。こういうものを褒めると馬鹿にされそう、なんて思う必要はまったくないのです。通ぶる必要はありません。いいものはいいのです。ちょうどこれを観たのが高校一年の頃だったのも大きいかも知れません。同年代の殺戮劇をリアルタイムで楽しんだわけです。発想はひどく幼稚です。でも、幼稚なものをちゃんとつくりこめばその分だけわかりやすくおもしろいものができる、という好例です。『少林少女』に出てみたり、一体誰が買っているんだという歌手活動をしてみたりという柴咲コウですが、この頃は実によい。栗山千明の過度に芝居がかった啖呵も深作持ち味の古い暴力映画を思い出させ、これを観たタランティーノは栗山に目をつけ、『キル・ビル』のゴーゴー夕張というキャラクターを作り出しました。うだうだすることなく、早めにあの島に連れて行くのも演出として非常に正しく、あの島での殺し合いは活気に満ちていた。灯台のシークエンスなんてもう最高です。中学生なのに大人びすぎている? リアルじゃない? うるせえ馬鹿野郎。あの桁違いの迫力がわからねえのか!
 2は言うまでもなく駄作です。そして1についても完全版じゃない方がいいです。余計なシーンが足されすぎていますから。公開時のパターンを観ましょう。
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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』 原恵一
 ことあるごとに触れているので、もう多くは語りますまい。むろん、テレビアニメや原作でクレヨンしんちゃんに触れているからこそ余計に思い入れる、という部分は大きいわけですが、それを差し引いても映画としての完成度はすごい。よくできている。ギャグ映画としてもおもしろければ、発されているメッセージもあの昭和萌え映画とはぜんぜん違う。クレヨンしんちゃんを「子供に見せたくない」とほざき、あの昭和萌え映画に萌えているなら、ああ、よほどてめえのガキはご立派にお育ちなんだろうなこの野郎!
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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』 原恵一
これももう多くを語る必要はありません。そういえば今年はこれを原案にした実写化がされたらしいですが、知りませんそんなの。井尻又兵衛と廉姫の関係は他に類を見ないほどのバランスであり、又兵衛が出てくるだけで泣ける。なんでこれを観てリメイクしようとしたのか、その発想がわからない。完璧なものをリメイクできると、本気で思ったのか?
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『パッチギ!』 井筒和幸

 今ではもうイタイ人とされてしまった沢尻エリカですが、この頃は最高! そういえばこれを昔ブログで褒めたら、なんか訳のわからないコメントを多数書き込まれるということがありました。左翼的だとかそういうことだったんでしょうけど、右翼とか左翼とかってもう本当にどうでもいいカテゴリーなんですけどね。ちなみに次作はなぜだかどうして、これに比してぜんぜんよくなかった覚えがありますが、本作は傑作といってまったく差し支えありません。
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『奇妙なサーカス』 園子温 
 今年は『愛のむきだし』という大傑作がありましたが、あれよりも園子温の作家性が凝縮されていると思います。とても醜悪なイメージとエキセントリックな世界観と虚実がわからなくなるような構造。『愛のむきだし』よりもずっとぶっとんだ作品です。『愛のむきだし』は誰が観てもちゃんとおもしろいエンターテインメントになっていますが、こちらは間違いなく好き嫌いが分かれましょう。その分、園子温好きには非常に濃い味で楽しめるのです。
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『SAW2』 ダーレン・リン・バウズマン
 このシリーズでよく言われることは、1が一番よくてあとは下がり調子、ということ。確かになんとか許せるのは5までで6となるともう擁護できませんが、1が一番と言うのには異論あり。2が一番だと思います。1はまだ観客の目線も低かったし、設定の妙味で引っ張った感じがあるけど、2は1で高くなったハードルをちゃんと越えている。あのパソコン画面のトリックとか子供を助けるためのくだりとかアマンダの本性とかジグソウ、トビン・ベルのアイドル性とか、いろいろと仕掛けをこらしていた。確かにこの監督が後の作品でゲーム的な殺人を生み出すとっかかりをつくってしまったんですが、その悪い流れが6まで続いたわけですが、この作品だけを観れば1以上の見せ場をつくっているし、編集のテンポもいい。『ターミネーター』『エイリアン』『グレムリン』『インディ・ジョーンズ』『マッドマックス』など、2が傑作になる映画は数多いですが、この『SAW2』もそこに加えてほしいところです。
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『街のあかり』 アキ・カウリスマキ
 十選の中で一番知名度が低いのがこれでしょう。アキ・カウリスマキはやはり外せません。『過去のない男』を彼のベストワークという人もいるでしょうが、個人的にこっち。ただ、ぜんぜん万人に勧めるものではありません。他の作品は誰にもお勧めしていいのですが、これを勧めるべき相手はこの先、ほとんど出会わないと思います。その分だけ、個人的に大切な映画ともいえます。クリスマスにチュッチュしている人には特に勧めません。いや、そういう人には観ないでもらいたい。観て、つまらないとか言わないでもらいたい。
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『チョコレートファイター』 プラッチャーヤ・ピンゲーオ
 充実した、充実しきったアクションにアイドル性がプラスされている最高の娯楽作。美少女が戦う、なんていうのは世にあまたあるわけですが、これぞそれをちゃんと成立させている作品。ブルース・リーやジャッキー・チェンにもオマージュを捧げ、コミカルな要素も多分に含んでいる。『少林少女』ではブルース・リーがコケにされていた。あれをギャグだと思ってつくった作り手を殺すと罪になる、その理由がぼくにはよくわかりませんが、ああいう「作り手」を指先で吹き飛ばせる名作です。同じ監督の『マッハ!』もいいのですが、アイドル好きのぼくとしてはこっち。いいから観なさいって。絶対おもしろいんだから。
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『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 ポール・トーマス・アンダーソン
 各所で絶賛されており、もうぼくがいちいち言う必要はない傑作。今まで観た映画に出てくる登場人物でもっとも好きな存在と言って差し支えないダニエル・プレインビュー。ダニエル・デイ=ルイスのすさまじい存在感。たとえば昔の黒沢映画などを観て、三船敏郎を目にすると、もうこんな存在感を発する役者はいないんじゃないかと思わされますが、いやいや、ダニエル・デイ=ルイスがいました。DVDも買いました。これは一生手元に置いておきたい作品です。『ぐるりのこと』という日本映画があって、あれは確かにいい作品だけれどぼくの人間性が邪魔して好きになれなかった。その点で言うと、こっちはぼくの人間性にびしびし来る映画なんです。ある意味、『ぐるりのこと』と真逆ですよ。いろいろあるけれど、平凡な日常と伴侶があれば、人生はいいものだ。そういう静かな幸福をこのプレインビューは受け入れられない。愛も神も信じずに、ただひたすらに石油を求める。これをして強欲な拝金主義と思うのは間違っている。確かにプレインビューをして資本主義と重ねる向きもあるけれど、彼は主義ではなく一人の人間なのであり、彼は別に金を欲して遊びたがっているわけでもない。彼にとって石油を求めることは、「存在すること」とほぼ同義だったように思います。だからこそ、このタイトルが生きてくるわけです。生きること、その存在を保証してくれるものとして、一方には福音派がおり、神によりどころを求める。でも、彼は神によりかかることがどうしてもできない。ただ一人で、おそらく本人にも訳もわからず石油を掘り続けている。そうやって追い求めることだけが、彼にとって生きることであり得る。この融通の気かなさ、ぼくにはびしびし、来る。
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『レスラー』 ダーレン・アロノフスキー
 これも何度も語っているところ。プロレス好きではないぼくがこれほどに惹かれるのはやはり映画の力。そしてダニエル・デイ=ルイスにも匹敵するミッキー・ローク。主人公が死を賭してクライマックスに挑む、というのは映画の常套手段ですが、その中でもこれは希有。なぜなら、ほとんどの「死を賭す」映画は、そこに倒すべき敵がいるから。あるいは、命を掛けてでも達成すべきものだから。人類を救うために何かする、みたいな。でも、このランディ・ラム・ロビンソンは違う。相手のレスラーもやめろと言う。でも、それをやるしかない。死を賭すことでしか生きられない。この本当に、まさに、ギリギリの生き様に胸を打たれぬわけがない! すっごく陳腐な、漠然とした、紋切り型の言い方をしますが、この映画にはある種の「人生の本質」があるように思います。

 以上十選。長くなりました。町山智浩いわく「オールタイムベストテンはその人の人格表明である」とのこと。これはあくまでここ十年の作品に絞ったものですが、なるほどガキっぽい側面あり、アイドル好きの側面あり、危険な側面あり、ベタな側面あり、ロマンチストな側面ありです。皆さんも考えてみるといいですよ、その辺の性格診断よりも如実な結果が出てくるかも知れません。
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この上半期、ちょうど100本の映画について、延々と独り言をまくし立ててきました。 今回は総括する意味で、よかった映画について個人的な賞を贈り、賛辞を重ねたいと思います。

そのいち 上半期、作品賞十選。
映画雑誌などはベストテンという形をとりますが、順位をつけるのは好ましいところではありません。また、過去数十年の名作たちをもごったに取り上げているので、順位付けなど土台不毛なものになります。ゆえに、十本選ぶならこれだ、というのを並べてみたいと思います。順不同であります。

『スカーフェイス』 ブライアン・デ・パルマ 1983
『ファーゴ』    ジョエル・コーエン 1996
『アポカリプト』  メル・ギブソン  2006
『ワイルドバンチ』 サム・ペキンパー 1969
『愛のむきだし』  園子温 2009
『狂い咲きサンダーロード』 石井聰互 1980
『ポセイドン・アドベンチャー』 ロナルド・ニーム 1972
『タワーリング・インフェルノ』 ジョン・ギラーミン 1974
『サボテン・ブラザーズ』 ジョン・ランディス 1986
『巨人と玩具』  増村保造 1958

もう一本選ぶなら…!
『明日、君がいない』 ムラーリ・K・タルリ 2006

 こう並べてみると、誰しもが納得の映画史に残る名作から、結構最近のもの、わりと知る人ぞ知る的な作品まで名を連ねております。並べた作品については、注文のつけどころがない。いや、たとえあったとしても、それを補って十二分にあまりある魅力を備えておる作品ばかりであります。

そのに 主演男優賞
 洋画部門 アル・パチーノ 『スカーフェイス』『狼たちの午後』
 一見してひょろっちく、キュートであり、しかしその分秘めたるパワーを爆発させれば圧巻のきわみ。記事としては取り上げませんでしたが、上半期には『カリートの道』、『ゴッドファーザー』三部作でも彼を目にし、やっぱりぼくは彼が好きだなあとつくづく思います。
 邦画部門 緒形拳 『楢山節考』『復讐するは我にあり』
 去年亡くなった緒形拳。90年代以降は主演を張ることもほとんどなくなったようですが、この人が見せた哀しさにはぐいと心を持って行かれました。これほどの力を持った俳優が消えつつある昨今、彼此今昔併せ見て、やはりこの人の魅力を思うのであります。

そのさん 主演女優賞
 洋画部門 チョン・ドヨン 『シークレット・サンシャイン』
 女性が主人公の映画もわりと観ているのですが、最も印象に残っているのは彼女ですね。逆に言うと、洋画の主演女優は他にあまりぴんと来る人がいなかった。これはやはりこの女優さんをおいてほかにおりません。

 邦画部門 大竹しのぶ 『黒い家』
 日本の女優だと記憶に残っている人が多いです。『愛のむきだし』の満島ひかり、『清作の妻』の若尾文子、『でんきくらげ』『しびれくらげ』の渥美マリなど。ただ、一番迫力があり、存在としてすごいなあと思ったのは大竹しのぶです。大竹しのぶのすごさを感じる、という意味でなら、『黒い家』もお薦めです。

そのよん 助演男優賞
 洋画部門 ヒース・レジャー 『ダークナイト』
 彼は『ダークナイト』の主演と言ってもいいんですが、一般には助演となっていますし、ここに座りも良いので、助演男優とします。『ダークナイト』完成を待たずして去年、急性の薬物中毒で亡くなりました。本人としてはむろん望まぬ死であったはずで、やや不謹慎ではありますが、このジョーカー役を遺作とした彼は、格好いいです。

 邦画部門 ジェイ・ウエスト 『ハザード』
 邦画の助演男優賞はもうこの人で即決です。ジェイ・ウエストが演じたリーはものすんごい魅力。あの役のああいう風情には、憧れますねえ。ちなみに今年の三月、彼は大麻所持で捕まったそうです。薬物や大麻というのは、いい役者と関係があるものなのでしょうか。

そのご 助演女優賞
 洋画部門 サラ・ポーリー 『バロン』
 自分が観てきた映画のラインナップを見て、どうしようか考えてみると、洋画の女優でよかったのは、当時9歳のサラ・ポーリーかなあと思いました。もちろん他の映画の女優さんでいい人は沢山いるわけですが、「この人が映画を支えている」という意味でまさしく助演。サラ・ポーリーが一番です。

 邦画部門 『櫻の園』に出てきた演劇部の人たち
 これは反則なのであり、本来なら『幸福の黄色いハンカチ』の桃井かおりなどを選ぶところなのですが、別に助演女優とは一人とは限らぬわけで、映画を支えたあの少女たち、今芸能界にいるのかどうかもよくわからない人ばかりのあの演劇部を、個人的に讃えたいと思います。

そのろく 歌曲賞
『グラン・トリノ』のエンディングテーマ 
 
 音楽についてはちっとも詳しくなく、音楽に注目して観ているわけでもないのですが、上半期に観た映画の中で最も印象に残っているものとして選びたいと思います。音楽賞ではなく、歌曲賞です。そうなると、あの『グラン・トリノ』のエンディングテーマが最高だったのです。今でもちょいちょいyoutubeで聴くし、口ずさんでしまいます。

そのなな 美術賞
『シザーハンズ』

 やはりティム・バートンの美術センスは疑いようもありません。とりわけシザーハンズにおいては全編にわたっていいです。女性好感度もきわめて高いはずで、そうなるとぼくとは相性がよくないはずなのですが、基本的にキュートなものが好きであり、そうなるとティム・バートンを選ばぬわけにはいきません。

そのはち 視覚効果賞
『ファントム・オブ・パラダイス』

 多言無用ではないでしょうか。デ・パルマのように視覚効果をがんがん使っていこうという姿勢はとても好きです。バズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』は前半がよかっただけに、残念でした。

そのきゅう 脚本賞
『明日、君がいない』

 映画自体は低予算ですが、つくりが非常に上手い。随所に驚きを挟み込み、なおかつ映画全体を覆すような結末を持っている。脚本賞はこれで決まり、個人的には揺るぎません。

そのじゅう 編集賞
『アポカリプト』

あれだけの面白さを持続するには優れた編集が必要です。シーンの良さはシーンの長さに左右され、映画の良さはシーンの繋がりに左右される。そう考えたとき、この映画の編集は完璧ではないでしょうか。

そのじゅういち 最高にキュートで賞
『サボテンブラザーズ』の「歌う木」

このキュートさは説明不能。観てください。それだけです。

そのじゅうに 監督賞
 園子温
 
 幾度も名前を出しているとおりです。いろいろな要素を総合したときに、この人のつくるものが一番魅力的に思われます。


 一応こんなところです。ワーストなどは決める気が起こりませんのでやりません。
 何かの参考になれば幸いでございます。
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